長浜 和楽器の弦の老舗で「寒の糸」づくり最盛期

寒さの厳しいこの時期、「寒の糸(かんのいと)」と呼ばれる和楽器の弦の生産が長浜市で最盛期を迎えています。

長浜市木之本町は古くから琴や三味線などの和楽器の弦の産地として知られ、中でも冬に作られる弦は「寒の糸」と呼ばれて音色が良いとされ、演奏家から人気があります。
木之本町で唯一のメーカーとなった創業100年以上になる老舗では、いま「寒の糸」づくりの最盛期を迎えていて、この日も職人たちが、絹糸の先端にこまのようなおもりをつるし、手早く回して糸をよる、「独楽撚り(こまより)」という技法で糸づくりにいそしんでいました。
冬の冷たい水で繊維が引き締められた絹糸を手作業で少しずつよることで、響きの良い糸が出来るということです。
よりをかけ終えてウコンで黄色く染め上げた糸は、1本ずつ15メートルにわたってたゆみなく張って、乾燥させていました。
弦メーカー「丸三ハシモト」の4代目、橋本英宗さんは「私たちの弦を使って演奏する方が少しでもいい音が出るように1本1本丁寧に作り続けていきたい」と話していました。
「寒の糸」づくりは3月ごろまで続くということです。