甲賀 ワクチン接種めぐる消防本部の対応は「組織として問題」

滋賀県甲賀市の甲賀広域行政組合消防本部で、新型コロナウイルスのワクチンを接種しなかった職員がほかの職員と離れた場所で勤務させられたあと退職した問題で、第三者委員会は「消防本部の対応は組織として問題があった」とする中間報告をまとめました。

この問題はおととし、甲賀広域行政組合消防本部が新型コロナのワクチンを接種しなかった職員をほかの職員から離れた廊下脇のスペースで勤務させる「業務区別」の対応をとり、およそ4か月後に職員が退職したものです。
消防本部は第三者委員会を設置し、委員会では当事者や幹部職員から聞き取りを行うなど調査を進めています。
第三者委員会の新川達郎委員長は26日、消防本部の管理者である湖南市の生田邦夫市長に中間報告書を手渡しました。
報告書では、ワクチン未接種の職員に対し上司などが面談や電話で接種するよう執ように求め、精神的な苦痛を与えたと認定したほか、消防本部が行った「業務区別」の対応は不利益な取り扱いで許されるものではないなどとしています。
また、消防本部の一連の対応は、組織としてのコンプライアンスの確保や人権保障において問題があったなどと指摘しています。
新川委員長は「さらに検証を進め、なぜ不適切とされかねない対応に至ったのか検討していく」と述べました。
第三者委員会は今年度中に最終報告をまとめることにしています。
第三者委員会の中間報告について、甲賀広域行政組合消防本部は「委員長の発言を重く受け止めるとともに、今年度末にいただくことになっている最終答申をもって、適切に対応してまいります」という消防長のコメントを発表しました。