びわ湖「奥の洲」陸続きになり見物の人 ヨシ群落の影響確認へ

びわ湖の水位の低下に伴い、滋賀県長浜市の湖岸と沖合にある小島のような州が陸続きになり多くの人が訪れていることから、滋賀県は、水質保全などの役割を果たしているヨシの群落に影響が広がっていないか職員を派遣して確認することを決めました。

長浜市湖北町のびわ湖の沖合、およそ200メートルには「奥の洲」と呼ばれる州があり、ふだんは湖面に浮かんでいますが、びわ湖の水位の低下に伴って現在は幅数メートルの道が現れて湖岸と陸続きとなり、連日、多くの人が訪れています。
「奥の洲」とその周辺の湖岸は野鳥のすみかになっているほか、滋賀県が条例で保全に努めるよう求めている「保護地区」に指定されたヨシの群落がありますが、一部のヨシが訪れた人によって踏み倒されたということです。
県の条例ではヨシの群落などへの人の立ち入りは禁止されていませんが、県は先週、現地を確認し、「ヨシの状況を注視する必要がある」として、今後、およそ1か月ごとに職員を派遣して影響が広がっていないか確認することを決めました。
滋賀県 琵琶湖保全再生課の河村勇輝さんは、「ヨシは魚の産卵場所や野鳥のすみかなどとして生態系の一部を担っている。当面は現地確認を通じて状況を把握し、個々の事案に応じて対応を検討していきたい」と話しています。

びわ湖の水位が下がりびわ湖岸から「奥の洲」まで陸続きになっていることについて長浜市は、旧ツイッターのXで、「『奥の洲』と手前の湖岸は貴重な動植物が多く生息し、野鳥が羽を休める場所となっています。珍しい光景ですが、遠くから見守るか、立ち入る際は十分にご配慮いただきますようお願いします」と投稿しています。