JR西日本 鉄道需要回復も 前倒しした終電の時間は見直さず

新型コロナの5類への移行などで鉄道需要が回復傾向にある中でも、JR西日本はコロナ禍で大幅に前倒しした京阪神エリアなどの在来線の終電の時間について来年春のダイヤ改正では見直さない考えを明らかにしました。

コロナ禍での在宅勤務の定着や帰宅時間の早まりを受けて、JR西日本は、おととし春に大阪環状線やJR京都線など京阪神エリアの主要路線で午前0時前後に出発する列車を48本削減し、終電を最大30分程度、早めるダイヤ改正を行いました。
その後、新型コロナの5類への移行や水際対策の緩和などによって、京阪神エリアを中心とした「近畿圏」の先月(10月)の利用者は2019年と比べて94%まで回復していますが、JR西日本は来年春のダイヤ改正では京阪神エリアなどの終電の時間を見直さず、現状を維持する考えを明らかにしました。
理由については「終電後から始発までの時間帯に多くの作業員が線路などのメンテナンスに従事しているが、働き方改革や人手不足の中でその時間を長く確保する必要がある」としています。
JR西日本が次のダイヤ改正でも終電の時間を維持することで、今後、関西の大手私鉄の戦略などに影響を与える可能性もあります。