野洲市の中学校でいじめの重大事態 第三者委が調査報告書

ことし4月、野洲市の中学校で、男子生徒が上級生6人からつねられたり転ばされたりするいじめの重大事態があり、市の依頼を受けて調査した第三者委員会が「いじめを未然に防止する取り組みがぜい弱だ」などとする報告書をまとめました。

野洲市教育委員会によりますと、ことし4月、市内の市立中学校で、1年生の男子生徒が、2年生の男子生徒6人からつねったり転ばされたりするなどのいじめを受け、頭を打つ軽いけがをしたということです。
警察も出動したことなどから市の教育委員会は、いじめの重大事態と判断し、弁護士や大学教授などでつくる第三者委員会に詳しい調査を依頼していました。
22日に公表された調査報告書で第三者委員会は、「上級生たちは、なんとなく生意気そうな態度の下級生に対して威圧的な行動に及んだものと推測される」としたうえで、「いじめは根強く残っていて、未然防止の取り組みのぜい弱さを物語っている。教職員が一体となった組織的な取り組みが不十分」などと、再発防止に向けいっそうの取り組みを求めています。
第三者委員会の会長を務めた野洲和博弁護士は、「いじめが起きる背景があるのは事実で、これまでの取り組みが功を奏していない。再発防止に努めて欲しい」と話していました。
野洲市教育委員会の西村健教育長は、「被害児童や保護者に心からおわび申し上げる。いじめのない学校教育の実現に努める」と話していました。