東近江市長発言 フリースクール運営団体が撤回求め署名活動

滋賀県東近江市の小椋正清市長が「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」などと発言したことに対して、滋賀県内でフリースクールを運営している団体が、発言の撤回などを求める署名活動を始めました。

署名活動を始めたのは、東近江市などで不登校の子どもの支援活動をしているNPO法人「Since」です。
19日の7時半ごろから、東近江市のJR能登川駅前に職員4人が立って、通勤通学で駅を利用する人たちに声をかけ、市長に対して発言の撤回などを求める文書への署名を集めていました。
東近江市の小椋市長は、17日に開かれた不登校対策の会議で、「フリースクールは国家の根幹を崩しかねない」と発言したほか、「不登校の大半は親の責任だ」などと述べていて、署名活動を行った団体の代表の麻生知宏さんは「不登校が一概に保護者の責任と片付けられるとやるせない。もっと不登校への理解を深めてもらうことが大事だと思う」と話していました。
団体では、18日からオンラインでも署名活動を始め、すでに1000人の署名が集まったということで、今後、1万人を目標に署名を集めることにしています。

東近江市の小椋市長の発言をめぐって大津市のフリースクールの代表からは怒りの声が聞かれました。
大津市のフリースクール「トライアンフ」には、小学2年生から中学3年生までの不登校の子どもなど13人が通っていて、週4日、子どもどうしが交流したり自由に過ごしたりする場を提供しています。
自身の子どもも不登校の経験があり、このフリースクールを運営する谷川知さんは「フリースクールは不登校の子どものありのままを認めて、何かにチャレンジしていく力を養っていく場所だ」としたうえで、今回の小椋市長の発言について、「親御さんが、不登校の子どもに本当に辛い思いで接していることを知らないのだと感じた。市長の立場でこういう発言をすることで、せっかく見つけた安心安全な居場所を否定され、どんなに親御さんや子どもの気持ちが壊れていくのかを分かっていない。こんなことで不登校対策ができるのか疑問で、発言に対してよく考えてほしい」と涙ながらに訴えました。