伊吹山の斜面復旧へ 土砂流出対策を探る試験工事始まる

大雨による土砂崩れで登山道が使えなくなっている米原市の伊吹山で、斜面の土砂流出を防ぐ方法を探る試験工事が始まりました。

伊吹山では10年ほど前からシカによる食害が深刻化して山肌が露出し、ことし7月には大雨による土砂崩れで登山道が使えなくなるなど、土砂を流出させないための対策が急務となっています。
このため米原市は、土砂の流出を防ぐ方法を探ろうと、実際に伊吹山の斜面で試験工事を行うことを決め、16日、ドローンを扱う業者が5合目から7合目まで土のうの袋などの資材を運び込みました。
今後、伊吹山の石だけを詰めた土のうと、伊吹山の植物が混じった土を入れた土のう、それに、シカが嫌う植物の種と土を入れた土のうの3種類を作り、山肌が露出している7合目付近に敷き詰めて、どの土のうが土砂の流出防止や植物の回復に効果があるか検証することにしています。
視察で現場を訪れた米原市の平尾道雄市長は「昔は緑一色のきれいな山だったが、改めて現場に来るとさんたんたる状態だ。なんとかして私たちの世代が責任を持って回復しなければならないという思いだ」と話していました。