びわ湖南部の在来魚の生息種類 大幅に増加か 龍谷大など調査

ブラックバスなど外来魚の影響で、一時、姿が見られなくなっていたびわ湖南部の在来魚について、おととし(2021年)の滋賀県の調査で、15年前の4倍を超える13種類が捕獲されたことがわかりました。
研究者は「外来魚の減少が在来魚の回復につながった」と指摘しています。

びわ湖の南部では、1990年代以降、ブラックバスやブルーギルなどの外来魚が繁殖し、滋賀県が15年前の2008年に行った調査では、在来魚は、ホンモロコやヨシノボリ類、それにスゴモロコ類の3種類しか、捕獲できませんでした。
しかし、県がおととし同じ方法で改めて調査を行ったところ、新たにヒガイ類やゼゼラ、ウキゴリなど、15年前の4倍を超える13種類の在来魚が捕獲されたということです。
さらに同じおととし、龍谷大学などの研究チームがびわ湖南部で採取した水に漂うDNAを詳しく調べた結果、30種類の在来魚のDNAが確認されたということです。
びわ湖では、県や漁業者がホンモロコなどの在来魚の放流を行う一方、ブルーギルやブラックバスなど、生態系を乱す外来魚を駆除する取り組みを継続的に行っています。
龍谷大学生物多様性科学研究センターの伊藤玄客員研究員は「外来魚の減少が在来魚の回復につながったと考えられる。今の環境を維持することが大事だ」と話していました。