滋賀県内の保育所などの待機児童 3年ぶりに増加

滋賀県内で、保育所などの空きを待つ待機児童の数は、ことし4月時点で169人と、過去最少だった去年からおよそ50人増え、3年ぶりに増加に転じました。

滋賀県によりますと、県内の待機児童の数は、ことし4月1日の時点で169人で、過去最少となった去年の同じ時期と比べて、51人増えました。
待機児童の増加は3年ぶりで、県は「新型コロナウイルスの影響で、預け控えをしていた人が感染者が減ってきたことで、子どもを預けるようになったり働きに出る人が増えたりしたためではないか」と分析しています。
自治体別では、最も多いのが▽守山市で去年より73人増えて82人、次いで▽近江八幡市と▽東近江市が15人、▽栗東市が14人などとなっています。
一方、待機児童がゼロだったのは、▽草津市、▽甲賀市、▽湖南市、▽米原市、▽竜王町、▽甲良町の6つの自治体で、去年より1つ減りました。
県は「0歳から2歳までの子どもの申し込みが増えていて、『保育士が足りない』という声も聞かれる」として、今月から待機児童がいる市と町を対象に、待機児童解消に向けての課題や保育施設の整備計画があるかなどについて、ヒアリングを行い、今後の対策を検討することにしています。

【守山市の対応】
守山市では、待機児童の数が去年より73人多い82人と、全国で最も増加しました。
守山市によりますと、待機児童の数が特に増えているのが1歳から2歳の子どもで、▼1歳児が去年より50人増えて52人、▼2歳児が去年より18人増えて25人と急増しています。
守山市は、京都市まで電車でおよそ30分という利便性から、子育て世帯が相次いで流入していることや一部の保育施設で、保育士を十分に確保できていないことが要因とみています。
これを踏まえて、守山市は、予算を確保し、0歳から2歳までに限って受け入れる保育施設を来年春に新たに2か所、開設するほか、民間の保育施設に対して、常勤の保育士を1人採用するごとに、20万円から30万円を交付することを決め、こうした施策によって、待機状態の解消を目指すとしています。
守山市で0歳の子どもを育てている40代の女性は「ことし6月に保育園を探しましたが、どこもいっぱいで入れませんでした。来年には、職場に復帰したいのですが、見つかるか不安です」と話していました。
守山市こども政策課の頴娃隼人係長は「市の人口は、今後も増加し、保育を必要とする子どもの数は、横ばいか微増で推移すると見込んでいます。保育士不足の解消と子どもの受け皿の確保に、一層、取り組んでいきます」と話していました。