滋賀大学が調査 「欧米の観光客は工芸品に興味」

日本を訪れる欧米からの観光客の多くが、工芸品を土産物として検討していることが滋賀大学の調査でわかり、ものづくり体験など通じて、販路を拡大するよう提言しています。

滋賀大学の近兼敏 客員教授はことし5月、滋賀に近く、多くの観光客が訪れる京都で、欧米から訪れた個人観光客を対象に、購入したい土産物やその予算などについて街頭調査を行い、アメリカやオーストラリアなど32の国の154人から回答を得ました。
購入予定の土産物を、複数回答で聞いたところ▼「工芸品」と答えた人が最も多く54.5%▼「服」が50.6%▼「日本酒」が26.6%などとなっています。
「工芸品」と答えた人のうち最も多かったのが「陶器」次が「箸」で、日本で購入したいものを、具体的に決めている人が多かったということです。
また、土産物に使う予算は▼5万円未満が37.3%▼10万円から20万円未満が25.5%で、平均予算は1人11万2000円あまりでした。
コロナ禍前の2019年の観光庁の調査では、中国人観光客が旅行で使った買い物代は10万8700円あまりとなっていて、今回の街頭調査は、これを上回ったということです。
近兼客員教授は、「欧米の観光客は日本の文化や伝統を理解して来日する傾向があり、日本のファンになる可能性がある。滋賀県の工房やメーカーなどは、観光客を対象にしたものづくり体験や販売を通じて、販路の拡大を模索してほしい」と話しています。