琵琶湖博物館の水槽破損 第三者委“展示物の接着で負荷”

草津市の琵琶湖博物館で、大型の水槽が割れた原因について、第三者委員会は10日、「岩を模した展示物を接着させたことでアクリルに負荷が生じたことなど、複数の要因によって事故が起きたと考えられる」とする報告書の案を示しました。

琵琶湖博物館では、ことし2月、ビワコオオナマズを展示していた直径およそ5メートルの円柱状の水槽が割れているのが見つかり、100トン近くの水があふれ出す事故が起きました。
博物館は、有識者6人でつくる第三者委員会を立ち上げて、事故の原因を調査していましたが、10日、報告書の案が示されました。
それによりますと、水槽のアクリルは、水圧などで膨張する性質がありますが、博物館でアクリルに接するように岩を模した展示物を設置したことによって、アクリルの膨張が一部で妨げられ、負荷が生じたことが水槽の破損につながった可能性があるとしています。
また、接着剤によって、アクリルに多数のひび割れが発生していたことも確認されていて、第三者委員会は「設計や設置、展示の各段階の複数の要因によって事故が起きたと考えられる」と指摘しています。
第三者委員会の岡田尚憲委員長は「こういう事故があることを全国の水族館に知ってもらい、水槽が大丈夫かどうか、点検してほしい」と話していました。
第三者委員会は、10日の議論をもとに調査報告書を修正し、来月上旬までに博物館に提出することにしています。