びわ湖大花火大会8日に開催 “無料での来場はご遠慮を”

滋賀県の夏の風物詩「びわ湖大花火大会」が来週、4年ぶりに開催され、関西各地からびわ湖の花火を待ちかねた多くの人が訪れる見通しです。
一方で大会の実行委員会は会場付近の激しい混雑や地域住民への影響などを考慮し、異例の“お願い”をしています。

「びわ湖大花火大会」は例年、1万発の花火が打ち上げられ、開催地である大津市の人口とほぼ同じ35万人が訪れるびわ湖の夏を代表する行事です。
新型コロナウイルスの感染が続く中、去年まで3年連続で中止されていましたが、ことしは4年ぶりに8月8日に開催されます。
関西をはじめ各地からびわ湖の花火を待ちかねた多くの人が訪れる見通しで、大会の実行委員会は有料の観覧席を前回より1万席以上多いおよそ5万席まで増やしています。
一方で、会場周辺の道路では車の渋滞や歩行者の激しい混雑が予想され、安全の確保が課題になっています。
さらに、会場近くの住民からは「見物客が騒いだり、マンションの敷地に入ったり、ゴミを路上に放置したりする」などと以前から強い不満が出ていて、7月には自治連合会の代表者が「開催に反対する」とした決議文を実行委員会に提出しました。
こうした中、実行委員会は「大混雑が見込まれるため、有料観覧席のチケットをお持ちでない方は来場をご遠慮ください」というかつてない“お願い”を展開しています。
JRの大阪駅、京都駅、三ノ宮駅などに設置されている電子看板=デジタルサイネージで表示しているほか、滋賀県内の14の大学にポスターを掲示するなどして呼びかけを行っています。
しかし、会場付近やその周辺には無料で観覧しようという人たちが例年集まる場所が多くあります。
この呼びかけの意図について、実行委員会の事務局を務める公益社団法人「びわこビジターズビューロー」の濱田康之企画広報部長は「4年ぶりということもあってこれまで以上の人出も予想される中、密集による群衆事故でけが人が出るのを極力防ぎたかった。安心安全が担保されて初めて楽しい花火大会になるので、大変申し訳ないがチケットを購入のうえお越しいただきたい」と話しています。
コロナ禍を経て再開した大規模イベントの成功と、安全確保・地域住民への配慮の両立を模索する、異例の呼びかけが続いています。
【大阪で聞いた市民の受け止め】
この呼びかけについて、JR大阪駅近くで話を聞きました。
神戸市の50代の女性は「呼びかけはやりすぎかなと感じる。花火大会は、見たい人であれば子どもから大人まで誰でも楽しむものだと思う」と話していました。
京都市の男子高校生は「有料観覧席は高校生からすると値段が高い。びわ湖の花火は遠くからでも見えると思うので人混みを避けて見たい。人がいっぱいいる所で転んだら危ないので呼びかけはいいと思うが、無料で見たい人もいると思うので難しい問題です」と話していました。
大阪市の30代の女性は「花火大会はみんなで楽しくというイメージが強いので、来場を限定しようというのはどうかなという気持ちになる。ただ、チケットを持っている人だけなら少し見やすくなって混雑やトラブルが多少防げるのかなとも思う」と話していました。
【周辺で交通規制】
「びわ湖大花火大会」の当日、会場周辺の道路は打ち上げ開始2時間半前の午後5時から車の通行が禁止され、歩行者専用になる交通規制が行われます。
このうち会場に最も近い湖岸道路は午後5時から午後10時まで、会場とJR大津駅などの最寄り駅の間は午後5時から翌日午前0時まで歩行者のみ通行可能となります。
また、会場周辺では駐車場や駐輪場が不足することから、実行委員会などは公共交通機関で訪れるよう呼びかけています。
会場から南へおよそ2キロの距離にある名神高速道路の大津サービスエリアでは、上下線とも混雑状況に応じて駐車場の入り口を一時的に閉鎖します。
さらに、ことしから新たな対応として、店舗は午前10時半から午後10時まで営業を休止し、展望スペースは終日閉鎖します。
このほか実行委員会などは、近江大橋をはじめとする会場付近の橋で、立ち止まって見物したり車をとめたりしないよう呼びかけています。
交通規制の詳細や見物の際の注意点については、大会の公式ホームページで確認できます。