団体名の入ったTシャツを大津地裁が制限 弁護団が撤回求める

再審=やり直しの裁判で無罪が確定し、国や県に損害賠償を求めている女性が、裁判のなかで着ていた服に「メッセージ性がある」として、先月(6月)、大津地方裁判所から裁判所内で着ないよう求められていたことが分かりました。
女性の弁護団は「服にメッセージ性はない」として、25日に裁判所に制限の撤回を求める意見書を提出しました。

意見書を提出したのは3年前、やり直しの裁判で無罪が確定した東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さんの弁護団です。
弁護団によりますと、西山さんは先月22日、不当な捜査で長期間拘束されたとして国や県に損害賠償を求めている裁判の口頭弁論で、えん罪防止に取り組む団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」の名前が書かれたTシャツを着て出席したということです。
その数日後、大津地方裁判所の所長と民事部裁判長の見解として、Tシャツについて、「政治的なメッセージのあるはちまきを持ち込むことと同じなので、着用しないでほしい」、「次回は出席を断ることも検討する」と代理人を務める弁護士に伝えられたということです。
これに対して弁護団は「服にメッセージ性はなく、裁判の支障にもなっていない。着用を制限するのは表現の自由の侵害だ」として25日、裁判所に制限の撤回を求める意見書を提出しました。
記者会見で西山さんは「自分も支援してもらった団体なので、多くの人に知ってもらいたいと思ってTシャツを着た。このような大きな事態になって驚いている」と話していました。