東近江市と出店予定の大型スーパー「コストコ」が連携協定

東近江市は、令和6年に滋賀県内では初めて市内にオープンする予定の会員制の大型スーパー「コストコ」との間で、地域の発展を目指すとした連携協定を結びました。

アメリカに本社がある「コストコ」は、幅広い商品を販売する会員制のスーパーで、関西では大阪や京都、兵庫にあわせて4店舗がありますが、滋賀県内では初めて、来年8月までに東近江市に店舗をオープンさせる予定です。
これを前に5日、東近江市役所で地域の発展を目指すとした連携協定の締結式が行われ、小椋正清市長と「コストコホールセールジャパン」のケン・テリオ日本支社長が協定書に署名しました。
協定には、地域経済の活性化に双方が取り組むことや、災害時には協力して被災者の支援にあたることなどが盛り込まれています。
店舗が出店するのは、名神高速道路の八日市インターチェンジ近くの6万平方メートル余りの土地で、コストコによりますと750台分の駐車場を整備し、1日あたり4000人から9000人の買い物客を、県内外から呼び込む計画です。
また、出店に伴って350人から400人ほどを新たに雇用する方針だということです。
小椋市長は「東近江市の振興にとって大きな起爆剤になる。地域に劇的な変化を起こしたい」と期待を示しました。
ケン・テリオ日本支社長は「店舗の予定地は高速道路からのアクセスもいい。高品質で低価格な商品を販売したい」と述べました。

【一方で懸念の声も】
東近江市の活性化につながるという期待も出ているコストコの新たな店舗ですが、建設予定地の周辺に住む市民からは、渋滞の発生や事故の増加を懸念する声が出ています。
予定地の近くに住む小山博美さんは、「予定地の近くには小中学校があり、特に小学生は店舗の開業で交通量が増えると予想される道路を、登下校で横断する必要がある」と指摘しています。
さらに地域の拠点となる病院も予定地の近くにあるため、渋滞の影響や事故の増加を強く懸念しています。
去年、小山さんが有志のメンバーとともに近隣の住民を対象に行ったアンケート調査では、回答した約350人のうち半数あまりが(53%)「店舗を利用したい」と答えた一方、8割あまりの人が(82%)「交通渋滞の発生を懸念している」と回答したということです。
コストコ側は、店舗の出入口となる予定の県道を拡幅する工事を行って、店に入る専用のレーンを設けましたが、小山さんたちは「現在の対策では不十分だ」と受け止めていて、さらなる対策を求める署名活動も行っています。
5日の時点で3000人余りから署名が集まっていて、今後、県に提出する予定だということです。
小山さんは「出店を楽しみにしている人の中にも、渋滞や事故の増加を懸念している人は多い。地域の実情に合わせた対策を行ってほしい」と話していました。
こうした懸念について、東近江市の小椋正清市長は「コストコ側が店に入る専用レーンを設けることなどで、日常的な渋滞にはならないだろうと思う。渋滞などが予測をはるかに上回る状況になれば、市として対応したい」と話していました。
また、「コストコホールセールジャパン」のケン・テリオ日本支社長は「開店直後は渋滞も発生するだろうが、次第に落ち着いてくると考えている」としています。