多賀町 平安時代の遺跡で銅銭など出土“有力者の墓の可能性”

多賀町の平安時代の遺跡から銅銭などが出土し、発掘した県文化財保護協会は「有力者の墓だった可能性がある」としています。

銅銭などが見つかったのは、多賀町敏満寺の大門池南遺跡です。
県道の工事のため、去年11月からことし3月にかけて県文化財保護協会が発掘調査を行いました。
その結果、深さ20センチ前後の穴の底から、平安時代初期の銅銭の「隆平永宝(りゅうへいえいほう)」15枚や、丸柄(まるとも)と呼ばれる帯につける飾りなどが見つかったということです。
県文化財保護協会によりますと、隆平永宝は平安京に都がうつされた直後の796年から20年あまりにわたって発行されたもので、また、丸柄は石でできていて古代の役人が正装する際に身につけていたものだということです。
今回、発掘を行った穴は、縦2.5メートル、幅1.5メートルほどの広さがあり、もともとは墓穴だった可能性があるということで、県文化財保護協会は、銅銭などは埋葬された有力者の副葬品だったのではないかとしています。
県文化財保護協会の田中咲子 副主幹は「貴重な情報を逃してはいけないと思い、発掘作業は緊張しました」と話していました。
見つかった銅銭などは、近江八幡市の県立安土城考古博物館で来月(7月)9日まで展示されています。