補助金交付のイチゴ栽培施設完成せず 3億円余未返還 高島市

高島市が補助金を交付したイチゴの栽培施設の建設事業が、期限までに終わらず、市は事業を計画した会社に対しおよそ3億7000万円の補助金の返還を求めたものの、これまでのところ返還されていないことがわかりました。

高島市によりますと、去年(2022年)3月、市内の会社が計画した、2万3000平方メートル余りの農地にイチゴの栽培施設3棟を建設する事業に、国の補助金が交付されることが決まりました。
国からの補助金は建設後に一括で交付されるため、この会社は、必要に応じて補助金の一部を高島市が前もって支払うとした市の条例に基づき、およそ3億7000万円の交付を受けました。
しかし、栽培施設の建設は当初の予定のことし3月までに終わらず、国は補助金の交付の決定を取り消しました。
こうしたことを受けて、高島市もこれまでに交付した補助金を5月末までに返還するよう求めましたが、これまでのところ返還されていないということです。
この会社は市に対して、「新型コロナや資材価格高騰の影響で期間内に工事が進まなかった」とする一方、補助金を返還していない理由については、明確に説明していないということです。
高島市は「督促状を送付するなど補助金の回収に向けて手続きを進めたい」としています。