長浜市などに計画の風力発電 経産相が抜本的見直し必要と勧告

長浜市と福井県にまたがる山林に東京の会社が進めている大規模な風力発電施設の建設計画で、事業者が作成した環境アセスメントの準備書について、西村経済産業大臣は「抜本的な事業計画の見直しが必要」などと事業者に勧告しました。

この風力発電施設は、東京の再生可能エネルギーの会社が、長浜市余呉町と福井県南越前町にまたがる山林、およそ830ヘクタールに最大39基の発電用風車の建設を計画しているものです。
滋賀県の三日月知事はことし、自然環境への重大な影響が懸念されるなどとする意見書を提出していました。
これについて、認可権を持つ西村経済産業大臣は、今月19日付けで「事業の実施区域の重要性を理解した上で十分な環境配慮がなされ、地域の理解を得た事業となるよう、抜本的な事業計画の見直しが必要」と事業者に勧告しました。
勧告では、▼希少な野生動物に指定されているクマタカが設備に衝突する可能性が高いことや、▼繁殖成績の低下といった重大な影響が懸念されるなどと指摘したほか、▼複数の専門家による検討会から助言を得ることなどを求めました。
県の環境政策課は、「知事が主張した鳥類や植物への環境配慮の部分が十分反映されている。今後も事業者には環境保全について対応して頂きたい」とコメントしています。
一方で事業者は、「勧告を真摯に受け止め、事業見直しに反映させる。専門家の検討会の設置に向けて準備を進めている」とコメントしています。