春の褒章 滋賀県内からは12人が受章

業務に励み人の模範になったり、公共の仕事に尽くしたりした人に贈られる春の「褒章」の受章者が発表され、滋賀県内からは、12人が受章することになりました。

このうち、業務に励み人の模範になったとして贈られる「黄綬褒章」を受章するのは、▼大津市の日本料理人、清本健次さん(55)、▼東近江市の土地家屋調査士、沢弘幸さん(70)、▼近江八幡市の畜産業、橋場※芳明さん(70)(※「芳」の草冠が「++」)、▼米原市の農産物加工業、丸本愛子さん(87)の4人です。
芸術や文化、スポーツ、学術研究の分野で功績のあった人に贈られる「紫綬褒章」は、▼大津市の大阪公立大学教授、寺北明久さん(61)が受章します。
また、公共の仕事に尽くしたとして贈られる「藍綬褒章」を受章するのは7人で、▼彦根市の刑務所で受刑者に徳性教育を担当する教誨師、漢見覚恵さん(57)、▼大津市の保護司、北井和子さん(77)、▼野洲市の消防団団長、木村敏行さん(67)、▼大津市の民生・児童委員、呉屋之保さん(82)、▼栗東市の消防団副団長、千代善一さん(61)、▼近江八幡市の保護司、富岡早※苗さん(75)(※「苗」の草冠は「++」)、▼彦根市の近畿鍛工品事業協同組合の元理事長、宮嶋誠一郎さん(60)です。
「春の褒章」の伝達式は、県内では、5月8日に行われます。

【日本料理 清本健次さん】
このうち、黄綬褒章を受章する清本健次さん(55)は、高校卒業後、料理人の世界に入り、京都市の料亭や大津市のホテルで修業を重ね、平成17年に、家業の旅館を懐石料理の店にしました。
清本さんは、びわ湖のアユやビワマス、近江牛など地元滋賀の食材にこだわった日本料理を「近江懐石」と名付け、発信しています。
清本さんは、あやめの花に見立てたミョウガの黄身ずしなど、季節を感じさせる伝統的な料理だけでなく、滋賀県の名物、ふなずしをクリームチーズとあわせた手まりずしなど、新たな料理法や素材も積極的に取り入れています。
こうした高い技能と創造性あふれる調理が高く評価され、令和元年には「現代の名工」に選ばれています。
さらに清本さんは、オーストリアやイタリアなど海外で日本料理の指導を行うなど、日本の食文化を世界に発信するとともに平成25年から、県の日本調理技能士会の会長を務めていて、小学校などで日本料理の魅力を伝える食育活動にも携わっています。
今回の受章について、清本さんは「非常にうれしく思っています。若手の育成をさらに続けるとともに滋賀県のために、食で観光再生できるよう心がけようと思っています。滋賀県の日本料理の世界がますます発展するよう微力ながら尽力していきたいです」と話しています。