陸自とインド陸軍が国内初の共同訓練 高島市は安全を要請

陸上自衛隊とインド陸軍の、国内では初めてとなる共同訓練が、28日、滋賀県の演習場で公開されました。
活動を活発化させている中国軍を念頭に、訓練を通じて連携を深めたい狙いがあるとみられます。

陸上自衛隊とインド陸軍は、国内では初めてとなる共同訓練を、2月17日から滋賀県の饗庭野演習場などで行っていて、28日、一部を報道陣に公開しました。
訓練は、市街地にある建物の中にテロ組織が潜伏しているという想定で行われ、双方の隊員が周囲の安全を確認しながら建物に突入し、安全を確保する手順などを確認していました。
陸上自衛隊とインド陸軍の共同訓練は2018年度に始まり、これまでは実弾が使える場所など、訓練環境が比較的整っているインドでいずれも行われていましたが、今回はインド陸軍側の求めで日本で行われることになったということです。
日本とインドは活動を活発化させている中国軍を念頭に、安全保障などさまざまな分野で連携を進めていて、先月には、航空自衛隊とインド空軍が戦闘機の共同訓練を日本で初めて行っています。
今回の共同訓練について陸上自衛隊は、「インド陸軍はテロに対する経験が非常に豊富で、訓練を通じて戦術技量の向上とさらなる連携の強化を図りたい」としています。

陸上自衛隊とインド陸軍の共同訓練が国内では初めて行われるのに先立って、饗庭野演習場がある高島市の福井正明市長は2月9日、防衛省に対し、安全を要請しています。
この中で福井市長は訓練について、「防衛力強化の必要性にかんがみて一定の理解をしている」としています。
一方で、饗庭野演習場では平成27年に演習場の外に銃弾が着弾するなど、これまでに4度にわたり重大な事案が起きていて、地域住民の不安は払拭されていないとして、万全の措置と安全対策をとるよう求めています。
具体的には、▼早朝や夜間の訓練を控えるなど、市民生活や地域の経済活動に支障をきたすことがないよう十分に配慮することや、▼万が一、不測の事故などが起きた場合は、直ちに訓練を中止するとともに、速やかに市に連絡のうえ国の責任で対応することを防衛省に求めています。