延暦寺の根本中堂と廻廊の大改修工事 木材確保できず遅れ

大津市にある比叡山延暦寺の国宝「根本中堂」と重要文化財の「廻廊」で行われている大規模な改修工事で、屋根に使う木材の確保が難しくなり、工事期間が1年9か月ほど延長されたことがわかりました。

延暦寺の「根本中堂」とその周りの「廻廊」は織田信長の焼き討ちのあと、400年ほど前に再建されたもので、老朽化が進んだことから、滋賀県が2016年から大規模な改修工事を行っています。
しかし、県によりますと、「廻廊」の屋根の改修に必要な長野県産のサワラ材は希少で流通量が少なく、現時点で必要とする量の半分程度しか確保できていないということです。
工事は当初、10年かけて2026年3月に完了する予定でしたが、サワラ材を確保するために工期を1年9か月延長し、完成は2027年の12月に遅れることになったということです。
また県は、東京オリンピックなどによる資材の高騰や着工後の消費税引き上げの影響で、総事業費も7億5000万円ほど増えておよそ57億9000万円に膨らんだことを明らかにしました。
県文化財保護課は「サワラ材の使用は文化財としての価値を維持するために必要なことと考え、文化庁などとも協議を重ねてきた。やむを得ず工期の延長となったが、貴重な文化財を未来に保存・継承できるよう工事を進めたい」と話しています。