首里城の再建工事 正殿で屋根の瓦ぶき作業が始まる

5年前に火災で焼失した那覇市にある首里城の再建工事で15日から正殿の屋根に赤瓦を取りつける瓦ぶきの作業が始まりました。

首里城正殿の再建工事は、再来年秋の完成を目指して風や雨から守る仮設の覆い「素屋根」の中で進められています。

15日は、瓦を製造する与那原町の工場から「素屋根」に赤瓦が運ばれ瓦ぶきの作業が始まり、職人たちが赤瓦にしっくいを塗って軒先から1枚1枚丁寧に取りつけていきました。

首里城を管理する内閣府沖縄総合事務局によりますと、新たな赤瓦には火災で破損した瓦を細かく砕き原料の一部としているほか、沖縄県内でしか採れない「クチャ」と呼ばれる泥岩や赤土を使っています。

年内をめどにおよそ6万枚の赤瓦で屋根全体が覆われる予定だということです。

与那原町にある瓦工場の専務取締役で赤瓦職人の島袋拓真さんは「県内外から職人が集まり『ゆいまーる(助け合い)』の精神で携わっている。みんなでいいものを作っていければと思う」と話していました。

【赤瓦作りを行っている八幡昇さん】
赤瓦職人で作る沖縄県赤瓦事業協同組合の代表理事でみずからも赤瓦作りを行っている八幡昇さんは「納品できて誇りに思う。県民の特別な思いが1枚1枚に込められているので出来上がっていくのが楽しみだ」と話していました。