新型コロナ 県内の高齢者施設でクラスター相次ぐ 面会制限も

県内で再び、新型コロナウイルスの感染者が増加傾向となっています。
特に高齢者施設ではクラスターが起きるケースが相次いでいて、入所者との面会を制限するなどの対応をとる施設も出てきています。

県によりますと新型コロナウイルスの定点把握による感染状況は先月26日までの1週間では1医療機関あたり14.09人でことし4月上旬から7週連続で増加が続いています。

特に高齢者に感染が広がっていて高度な治療ができる県立病院など7か所の入院患者は直近では4月中旬の2.5倍の75人に上り、その9割近くが70代と80歳以上です。

嘉手納町にある特別養護老人ホームでは、先週から施設内で新型コロナの感染が一気に広がり、この週末から家族との面会を当面、窓越しのみに制限しました。

4日までに入所者10人の感染を確認し、医師と相談の上、感染した入所者は原則5日間、同じ部屋にとどまって療養してもらう措置をとっていますが、コロナが治っても、その後の健康状態の悪化が懸念されるといいます。

この施設の玉城竜一介護統括部長は、「1日中、白い天井を眺めているだけの生活になるので、時間がわからなくなり、季節もわからなくなります。今は何をする時間だというのが理解ができなくなって、どんどん認知症が悪化する。コロナが原因ではないですが、コロナをきっかけに体調を崩される方がかなりいます」と話しています。

施設では、感染した入所者を担当する職員とそれ以外の職員が接触しないような形で勤務シフトを組んでいます。

感染者の増加で業務量が通常よりも増えて人手不足になっているといいます。

また、感染症に詳しい医師によると、県内では重症化するケースも増えてきているということです。

玉城竜一介護統括部長は、「いま、現状としてどこの事業所も人手不足なので、どこかが感染で人手が足りないから助けに行くということも難しくなってきています。高性能のマスクなど感染資材の確保であったり、施設間の相互作用による助け合いができるようまた音頭を県のほうでとっていただきたい。この状況はスタートだと思います。これからこういった波がどんどん来ると思うので咳、鼻水があったとか、ちょっとおなかを下しているとかいう状況であれば、なるべくマスクをして高齢者とあまり接しないということを徹底して欲しい」と話していました。

この施設や感染症に詳しい医師は、改めて感染対策を心がけてほしいと呼びかけています。

高齢者などが集まる屋内の場所では症状がなくてもマスクを着用し、せきなどの症状があるときは、できるだけ外出を控え自宅で療養することなど、「うつらない」「うつさない」取り組みに気をつけてください。