玄米成分がマウスの認知機能を改善 琉球大研究グループが発表

玄米に含まれる「γーオリザノール」という成分が、記憶をつかさどる海馬の炎症を鎮静化し、認知機能を回復させる可能性があることが、マウスを使った琉球大学の研究で明らかになりました。
研究グループは、人間の軽度の認知症の改善にもつなげられるのではないかとしています。

これは、琉球大学第二内科の岡本士毅助教と益崎裕章教授などのグループが30日に発表したものです。

研究では、まず認知機能が低下した人間の50代後半に相当するマウスに、▼通常のエサ、▼高脂肪のエサ、▼高脂肪のエサに玄米に高濃度で含まれる「γーオリザノール」を加えたエサをそれぞれ4か月食べさせ、迷路を歩かせて短期の記憶力を評価しました。

その結果、高脂肪食のマウスは通常食のマウスより短期の記憶力についての評価が20%低下した一方、「γ−オリザノール」を加えたエサを与えたマウスは、通常食のマウスと同程度の評価だったということです。

その後、記憶をつかさどる海馬を調べたところ、認知機能の低下を示す炎症が高脂肪食のマウスでは増加していましたが、「γ−オリザノール」入りのエサを与えたマウスでは増加が見られませんでした。

さらに、正常な脳細胞の増加を示す遺伝子の数が、通常食のマウスよりおよそ1.5倍増えていたということです。

研究グループでは、「γーオリザノール」がネズミの脳に作用することで海馬の炎症が鎮静化し、低下していた認知機能が改善したとしています。

研究グループでは、この脳のメカニズムの研究で特許を取得していて、今後、人間の軽度の認知症の改善にもつなげられるのではないかとしています。