那覇市の老舗かまぼこ店 閉店へ 100年近い歴史に幕下ろす

戦前から続く那覇市の老舗かまぼこ店が、従業員の高齢化を理由に100年近い歴史に幕を下ろすことになり、常連の客からは閉店を惜しむ声が上がっています。

今月末で閉店するのは、那覇市松尾にあるかまぼこ店「ジランバ屋」です。

98年前の1926年に玉城ジラさんが那覇市東町で創業し、沖縄戦が始まる前に一度、店を閉めますが、終戦後の1945年12月に糸満市でかまぼこの製造を再開しました。

その後、那覇市内で店舗を拡大し、多いときには30人の従業員がいたということです。

1999年にジラさんが95歳で亡くなってからは、家族や親戚が松尾の1店舗で営業を続け、現在は、ジラさんの四女、玉城洋子さんが店頭に立っています。

店によりますと、閉店を決めた理由は従業員の高齢化だということで、今月末で100年近い歴史に幕を下ろすことになりました。

閉店まで3週間となった10日も、店のショーケースには午前中からできたてのかまぼこが並び、閉店を惜しむ常連の客が買い求めていました。

常連の70代の女性は「お店がなくなるのは寂しいです。いつもここのかまぼこで『イナムドゥチ』を作っていたので、これからどうしようかと思っています」と話していました。

「ジランバ屋」の玉城洋子さんは「閉店を聞きつけたお客さんがたくさん来てくれてうれしいです。お客さんが少しでも笑顔になってほしいと心がけてやってきました。最後まで感謝の気持ちで営業します」と話していました。