企画展「沖縄を見つめた表現者たち」開催 宜野湾市

沖縄の戦前の原風景や、79年前の地上戦からいまに至る現状を絵画や彫刻などで表現した企画展が沖縄県宜野湾市で開かれています。

会場の佐喜眞美術館には、戦後、沖縄美術の復興を支えた作家から現在、海外でも活躍する若手まで34人の作品51点が展示されています。

このうち、画家の故・丸木位里、俊夫妻の作品「久米島の虐殺(1)」は、沖縄戦のさなかスパイの容疑をかけられて住民20人が殺された悲劇を題材にしたもので、刀を振りかざす日本兵の前で子どもをおぶった母親が懇願するようにしゃがみこむ様子が描かれています。

また、6畳間ほどある板で作った星条旗の中に、一回り小さい日の丸と日本地図が描かれている仲里安広さんの作品「Key Stone 要石」は日米安保条約に挟まれる沖縄を表していて、双方の旗の境目にある溝にはアメリカ軍基地のフェンスを表現した有刺鉄線が置かれています。

佐喜眞美術館の佐喜眞道夫館長は「世界で争いが絶えない中、命どぅ宝、命こそ宝であるというメッセージを感じ取ってほしい」と話していました。

企画展「沖縄を見つめた表現者たち」は、来月10日まで開かれています。