車にはねられたヤンバルクイナ けがが回復し森へ帰る 国頭村

国頭村の県道で車にはねられて治療を受けていた国の天然記念物の「ヤンバルクイナ」がけがから回復し、9日、やんばるの森へ帰されました。

この「ヤンバルクイナ」はオスの成鳥で、先月27日、国頭村の県道に飛び出したところを車にはねられました。

運転手はすぐに車を止めて状況を確認し、環境省のやんばる自然保護官事務所に連絡しました。

うるま市のNPOが検査した結果、内臓に損傷を負っていましたが、その後の治療で回復しました。

そして、9日、保護された場所の近くで森に帰されることになりました。

環境省やNPOの職員などが見守る中、ケージから出されたヤンバルクイナはしばらく周囲をうかがうような動きをみせたあと、ぴゅーっと走って茂みの中に姿を消しました。

環境省によりますと、ことしに入って8日までに、ヤンバルクイナが巻き込まれる交通事故は16件起きていて、これは過去最も多い47件が起きた2012年に次ぐペースだということです。

治療にあたった「NPOどうぶつたちの病院沖縄」の長嶺隆理事長は「今回は、運転手の救護により命を助けることができた。ことしはおなかの中に卵を抱えて死んでしまったクイナもいた。世界中でこの森にしかいないので、県民や観光客の皆さんに見守っていただきたい」と話していました。

また、環境省やんばる自然保護官事務所の石川伊智子さんは「4月から7月にかけて繁殖のシーズンを迎えて動きが活発になる。安全運転を心がけてほしい」と話していました。