右側通行時代に建てられた立体駐車場が営業終了 那覇市

49年前、車の通行が右側だった時に建てられ、出入り口が左右逆になっている那覇市中心部の立体駐車場が老朽化のため6日で営業を終了しました。

営業を終えたのは、那覇市中心部、沖映通り沿いの「みどり立体駐車場」です。

運営する会社によりますと、この立体駐車場は49年前の1975年5月24日沖縄が本土に復帰後、初めて県外から進出した大手スーパー「ダイエー那覇店」、通称「ダイナハ」の開業にあわせてオープンしました。

4階建ての駐車場にはおよそ400台が収容でき、連日多くの買い物客で混み合い、当時はアメリカ統治下から続く右側通行で出入り口は左右逆に設計されました。

3年後の1978年7月30日、右側通行が本土と同じ左側通行に一斉に変更したいわゆる「730」以降も、構造上の理由で出入り口は変更しませんでした。

「ダイナハ」は2005年11月20日に撤退し、それに伴い駐車場の利用者も激減したといいます。

4年後の2009年4月24日、大型書店の「ジュンク堂那覇店」が開店後は利用客を取り戻し、周辺の店舗の提携駐車場として地元経済を支えてきましたが、老朽化のため建て替えることになりました。

営業最終日の6日は地元の人たちが訪れ、写真を撮るなどして名残惜しむ様子が見られました。

新しい駐車場は来年3月の利用開始を目指しているということです。

八重瀬町に住む4歳の娘の父親は「昔からよく来ていた思い出の場所なので最後に見に来ました。娘にもこういう景色があったことを少しでも記憶してもらえたらうれしいです」と話していました。

「みどり立体駐車場」の運営会社の糸嶺篤秀社長は「こういう日が来るとは思わなかったので今は複雑な気持ちですが、お客様の安全を考えたら仕方なくここでさようならしないといけないと思う。次の50年に向けて再スタートを切っていきたい」と話していました。