琉球王国 王の肖像画など文化財18点 米から返還後 初公開

先月、アメリカから沖縄県に返還された琉球王国時代の王の肖像画など18点の文化財が30日初めて、関係者に公開されました。

沖縄県が公開したのは、太平洋戦争末期の沖縄戦の混乱で行方が分からなくなっていた琉球王国時代の王の肖像画「御後絵」のほか地図や香炉などの文化財18点です。

いずれも去年アメリカで見つかり、先月沖縄県に返還されました。

公開された御後絵は2点で、このうち1点は縦1メートル80.5センチ、横1メートル88センチで、中央に大きく描かれた王は公式行事で使われた装束と王冠を身につけています。

絵の軸に「尚清様」と書かれていることから県によりますと描かれているのは「四代尚清王」とみられるということです。

また、もう1点は何らかの理由で縦方向に3分割されていて、最も長いもので縦1メートル9センチあります。

確認できる資料がないため、描かれている人物が誰なのかは分かっていないということです。

このほか、傷みが激しかっため今回公開できなかった13代尚敬王と18代尚育王とみられる2点の御後絵の実物大の写真も展示されました。

公開に先立って行われた式典で、玉城知事は「沖縄県は大戦により多くの貴重な文化財が焼失・散逸しており、今回の返還は県民にとってこの上ない喜びであり誠に意義深いことだ。返還された文化財を心のよりどころとして大切に保存・活用したい」とあいさつしました。

また、来賓として招かれたアメリカ大使館のフィリップ・ロスキャンプ公使は「かけがえのない文化財の返還にささやかながらも役割を担えたことを光栄に思う。今後も同様の発見が続いてくれることをせつに願う」と述べました。

県は来月専門家会議を設置して顔料などを詳しく分析し、修復方法の検討を進めることにしています。