J1ガンバに勝った!金星のFC琉球 選手の思いは


JリーグカップでJ1のガンバ大阪に見事勝利し、大金星の興奮さめやらぬFC琉球。2人の選手に注目しました。

(NHK沖縄放送局 大場ゆずきキャスター)

沖縄県内では初めてとなるJ1クラブとの公式戦。平日としては過去最多の5406人が、スタジアムにかけつけました。会場の外では琉球とガンバのコラボグッズや本場のたこ焼きも用意され、試合前から大盛り上がりです。

(琉球サポーター)
「ドキドキしています。きょう勝つのか…」「J1ならではの動きを見られるのかな、楽しみにしています」

この試合に特別な思いで臨む2人の選手がいました。13年間、ガンバに在籍した藤春廣輝選手とガンバ大阪ユースからの生え抜き白井陽斗選手。以前の取材にこんな思いを語っていました。

(藤春廣輝選手)
「今の自分があるのも、ガンバのおかげなので、まだまだやれるぞというところをガンバのサポーターに見せられれば」

(白井陽斗選手)
「3年間待ちに待った対戦で純粋に楽しみ。90分通して泥臭く守って、泥臭く攻めて勝ちたい」

会場には、多くのガンバサポーターも駆けつけました。ガンバ時代の藤春選手のユニフォームを着た人はこう話していました。

(ガンバサポーター)
「藤春選手は、今でも沖縄で元気に走り回っていると聞いているので、まだまだずっと活躍してほしいです。白井選手は、ガンバではなかなかチャンスがなかったので、今活躍していると聞いて嬉しいです」

「白井選手のゴール見たいけど、ちょっときょうは、遠慮してもらえたら。でも(J3の)得点王、頑張ってください」

思いが交錯する特別な一戦。このふたりが魅せました。藤春がボールを持つと、白井がスペースを作って最後決めたのは富所。言葉どおり、白井が泥臭く体を張り先制点を 演出します。1対0でリードして前半を折り返しましたが、後半開始早々、ガンバがJ1の実力を見せます。藤春のクリアボールをそのまま打ち込まれました。同点とされ、嫌なムードが漂います。しかしこの人は、泥臭く走り続けていました。

(白井選手)。
「前半から0で抑えたら、チャンスがあると話していたので。今年ホームで後半、点を取ることが多いので信じて走り続けた。」

すると後半31分。狙い続けていたというディフェンスの裏に抜け出すと。古巣相手に、値千金のゴール。2対1と勝ち越します。その後、ガンバの猛攻に遭いますが、藤春がディフェンスを引っ張りました。

(藤春選手)
「守り切ったら勝てるぞというのは、みんなが言っていた。チーム一丸となって戦えた瞬間だった」

チーム全員が、体を張った必死の守りを見せ、J1クラブからの初勝利をつかみ取りました。沖縄サッカーの歴史に新たな1ページが加わった瞬間です。

(白井選手)
「忘れられない1日。本当にガンバにお世話になったので。過去のいい思い出とかつらかったこととかを鮮明に思い出した。少しは成長した姿を見せられて良かった。」
(藤春選手)
「13年間お世話になった気持ちもあったので、悔しい思いも正直あったので。それが混ざり合って、ガンバのユニフィームを見て、やっぱりうらやましいな…とも思いましたし。でも勝ちたいという思いは強かったので嬉しかった。泣きそうになるくらいうれしかった。みんなが自信につながる試合だった。これを次につなげられればいいかな」