「沖縄書店大賞」米統治下と同じ場所を写真で比較した本に

県内の書店の店員がいま一番読んでほしい本を選ぶ「沖縄書店大賞」が23日発表され、アメリカ統治下と現在で同じ場所の写真を比較した本などが選ばれました。

10回目となることしの「沖縄書店大賞」は、県内17書店の店員104人が、去年出版された中から、いま一番読んでほしい本を投票で選び、23日那覇市の県立博物館・美術館で授賞式が開かれました。

このうち「沖縄部門」の大賞には『リメンバリングオキナワ』が選ばれました。

この本は、沖縄と東京を行き来する写真家の岡本尚文さんが、アメリカ統治下の頃の写真と同じ場所を、同じ構図で撮影して比較したもので、本土復帰前後に撮影された映像の収集や解説などを行っている映画監督の當間早志さんが監修しました。

県内55か所の地点が紹介されていて、糸満ロータリー周辺は埋め立てで景色が一変した一方、アメリカ軍キャンプ瑞慶覧の周辺では、右側通行が左側通行になった以外、ほとんど変わらないことが分かります。

岡本さんは、「戦争でさら地になってしまった場所が少しずつ復興していく。景色は変わっていくが、そこに住んだ人の生き方や生活がないものになってしまうことにはしたくない。写真からいまの沖縄の状況を感じたり楽しんだり懐かしんだりしてほしい」と話していました。

このほか、「小説部門」の大賞には黒柳徹子さんの『続窓ぎわのトットちゃん』「絵本部門」の大賞には鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん2』が選ばれました。