沖縄の海に住む生物のふだん見えない姿を捉えた展示会 那覇市

CTスキャナーや電子顕微鏡などを使って沖縄の海に住む生き物のふだん見ることができない姿を捉えた展示会が那覇市で開かれています。

この展示会は、水生生物の調査・研究を行っている沖縄美ら島財団が開いたもので、テーマは「可視化」です。

肉眼では見えないものを捉えた画像・映像資料などおよそ80点のほか、撮影機材なども展示されています。

このうち、ザトウクジラの胸びれのレントゲン写真は、15枚の写真がつなぎ合わされていて、長さは、実物と同じ3メートルあります。

また、体の内部を撮影したCTスキャナーの画像データでは海水を飲んで大きくなったハリセンボンの胃袋を青、骨格をオレンジで表現していて、ハリセンボンが膨らむ仕組みがよくわかります。

沖縄美ら島財団総合研究所の宮本圭主任研究員は「元の画像に色はついていないが、アートっぽさを出し、見て楽しんで頂けるようにとカラフルに仕上げた。まずは画像の面白さ、“なんだこれ”という所から入って関心持って頂けたら」と話していました。

また、毒のある魚、ゴンズイの針を電子顕微鏡で捉えた画像からは、毒針の先端が折れると、すぐ次の先端が現れて鋭さを保てる仕組みになっていることがわかります。

このほか、水中で生き物の健康状態を調べるための水中エコー診断装置も展示されていて、沖縄美ら島財団附属動物病院の看護師、村雲清美さんは、「この装置を使えばジンベエザメの心臓、消化管、他の魚の妊娠の状態などを見ることができます」と話していました。

「科学の眼で見る美ら海の生き物展」は、来月6日まで、那覇市の沖縄県立博物館・美術館で開かれています。