幻の資料「ハワイ沖縄県人発展史」 和歌山市で見つかる

沖縄からハワイに移り住んだ移民1世の40年の歴史を記録して1941年に出版され、太平洋戦争の混乱によって所在を確認できていなかった「幻の資料」とされる書籍が和歌山市で見つかったことが分かりました。

これは19日、那覇市にある沖縄県立図書館が記者会見で発表しました。

書籍は「ハワイ沖縄県人発展史」で、県立図書館の職員がハワイへの移民に関する資料を調べていたところ、和歌山市民図書館で保管されていることが分かったということです。

書籍には、1900年に沖縄からハワイに移り住んだ移民1世がたどった40年の歴史が記録されていて、現地の沖縄県人連合会が編集し、1941年に東京で出版されました。

しかし、太平洋戦争前後の混乱によってハワイには届かず、その後も所在を確認できずに「幻の資料」とされていました。

全体のおよそ600ページのうち、半分程度が600人近くの移民1世のハワイへの渡航時期や移住後の活動などをまとめた内容だということです。

県立図書館の原裕昭さんは「600人の個人史によって、さまざまな移民1世の足跡が分かる。図書館で行っているルーツ調査に役立てていきたい」と話していました。

また、沖縄を訪問中で、記者会見に同席したハワイ沖縄連合会のブランドン仲宗根会長は「この発見を共有してくれた沖縄県立図書館に感謝したい。ハワイに戻ったら自分のルーツなどを知る貴重な資料の発見を共有したい。皆が感動すると思う」と話していました。