伊江島の滑走路 “改修に最長で1年半程度” 米側が伝える

アメリカ軍がパラシュート降下訓練を嘉手納基地で繰り返す理由としている、伊江島補助飛行場の滑走路の状態について、アメリカ側が、滑走路の改修に最長で1年半程度かかる可能性があるという見通しを日本側に伝えていることが分かりました。

アメリカ軍は、原則、伊江島で行うことになっているパラシュート降下訓練について、伊江島補助飛行場の滑走路の整備が不十分であることを理由に去年12月以降、嘉手納基地で毎月繰り返しています。

19日も実施し、5か月連続となりました。

県は、伊江島補助飛行場の滑走路が改修されないかぎり嘉手納基地での訓練が続くと警戒を強めていますが、これまでにアメリカ側が、滑走路の改修に必要な資機材の搬入と工事をあわせた期間が最長で1年半程度にのぼる可能性があるという見通しを日本側に伝えていることが関係者への取材で分かりました。

路面を掘削する全面的な改修が必要だとしている上、工事に向けた地質調査もことし夏ごろまでかかる見通しで期間を短縮できないか日米間で協議を続けているものの作業開始のメドは立っていないということです。

県は、工事期間の具体的な説明は受けていないとしていて、伊江島で訓練を実施できない場合は県外や国外で行うよう求めています。

日米両政府の合意で、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練は「例外的な場合に限る」となっています。

伊江島補助飛行場の滑走路の改修に最長で1年半程度かかる可能性があることについて、県幹部の1人はNHKの取材に対し「率直に言って最長1年半は長すぎるし、目安を把握した時点で、アメリカ軍や沖縄防衛局は県に知らせるべきだ」と話しています。

そして「滑走路の整備に時間がかかるのは理解できるが、嘉手納基地で毎月、訓練を行っている上、伊江島補助飛行場が長期間、使用できないのであれば『例外』に該当しないはずだ。日米の合意事項の要件に明らかに沿っておらず、自衛隊が訓練を行っている場所も含めて沖縄以外の国内や国外での実施をきちんと検討すべきだ」と話しています。

沖縄防衛局はNHKの取材に対し「滑走路の修復工事はアメリカ側が実施すると説明を受けている」とコメントしています。

その上で「アメリカ側からは『滑走路部分の地質調査が必要であることが判明し、この調査結果を踏まえて早急に工事計画を完成させ、日本側に速やかに示したい』との説明を受けている」として、アメリカとの調整を踏まえ、今後、地元の自治体などに説明するとしています。

伊江島補助飛行場を管理するアメリカ海兵隊はNHKの取材に対し「作戦の保全上、滑走路や飛行場の即応性に関する情報は公表しない」としています。