県の首里城城壁の修復工事 財源確保まで中断に

国が進める首里城正殿の復元工事で文化財が見つかった影響で遅れが生じている県の城壁の修復工事が、国が昨年度余った一括交付金の繰り越しを認めなかったことから、新たな財源が確保できるまで中断することになりました。

県は昨年度、国からの一括交付金を使って、首里城の外側の城壁を修復する工事を行っていましたが、国が隣接したエリアで進めている正殿の復元工事で見つかった文化財の調査などのため、遅れが生じています。

県によりますと、工事の遅れにより余った一括交付金を今年度に繰り越す手続きを申請しましたが、財務省は「隣接工事による影響を理由とした遅延は、避けがたい事故には相当しない」として、繰り越しを認めなかったということです。

このため、新たな財源が確保できるまで城壁の工事が中断することになり、県は、関係部局などと連携して財源の確保に取り組むことにしています。

玉城知事は今月12日の会見で、財務省の対応について「いささか疑問を感じざるを得ない」と述べた一方、「1日も早い首里城の復興は県民の願いである」として、引き続き国と緊密に協議していく考えを示しました。