豊見城市 子ども増加で38年ぶりに新たな中学校が開校

全国で少子化が進む一方、豊見城市では子どもが増えていて、16日、38年ぶりに新たな中学校が開校しました。

豊見城市は、人口の増加率が県内の自治体でも有数で、特に15歳未満の年少人口の割合は、全国最高となっています。

市は、子どもの増加に対応するため、新たに豊崎中学校を開校することになり、16日は、まず正面玄関にあるスペースで、記念のテープカットが行われました。

続いて、体育館で新2年生と3年生を前に、新しい校章や校歌が紹介されました。

校歌は、県出身の人気バンド「かりゆし58」のボーカルで、市の観光大使を務める前川真悟さんが、生徒や保護者などと話し合って一緒につくったもので、生徒たちは手元の歌詞を確かめながら声をそろえて歌っていました。

これまで生徒たちが通っていた伊良波中学校は、およそ900人の生徒がいて1学年9クラスになるため、教室が足りずプレハブなどで対応していたということで、豊崎中学校には4割ほどの生徒が移ることになります。

一方、去年の台風6号や埋め立て地盤の整備などで遅れが出た影響で運動場の整備は完了しておらず、完成は10月末を見込んでいるということです。

2年生の女子生徒は「学校がきれいだし一番新しいからみんなに自慢が出来る」と話していました。

男子生徒は「今まで伊良波中学校で少し家から距離があったのでこの中学校が出来て通う時間が短くなりましたし、とてもうれしいです」と話していました。

また、別の女子生徒は「寝坊しても遅刻しない可能性が高いところがよかったです。勉強や部活、青春を楽しみたいです」と話していました。

大城正篤校長は「少子化と言われる中で、豊崎地区は開発が進み、本土からの移住者も増えている。求められる学校になるよう生徒や保護者と共に創る学校にしたい」と話していました。

生徒の減少による統廃合や中高一貫校への移行ではなく、人口が増えたことによる中学校の開校は、豊見城市では、1986年の伊良波中学校以来38年ぶりです。

また、沖縄県内全体で見ても、糸満市の潮平中学校が開校した2001年以来、23年ぶりだということです。

豊見城市で人口増加の中心となってきたのが、今回、中学校が新設された豊崎地区です。

豊崎地区の人口は15年前の3月は1595人でした。

それが、先月の時点では5395人と、3800人増加しています。

豊崎地区では、マンションや一戸建て、商業施設などの建設が続いていて、地価の上昇率も全国有数です。

一方、全国や県内のほかの多くの地域では、少子化が進む中、統廃合によって閉校となる小学校や中学校が相次いでいます。

豊見城市などによりますと、教育関係者の間では、今回の豊崎中学校の開校は、人口の増加による新設としては全国で最後のケースになるのではないかとも言われているということです。