普天満宮の洞窟で県内最古級の炉の跡 人類活動の手がかりに

沖縄県宜野湾市の普天満宮にある洞窟の中から、火を使った「炉」の跡と見られる灰の塊が見つかりました。
調査にあたった大学は、およそ3万1000年前の県内最古級の炉の跡で、当時の生活様式など人類の活動をさかのぼって調べるための貴重な手がかりになるとしています。

宜野湾市にある沖縄国際大学考古学研究室の新里貴之准教授たちは12日、学内で記者会見し、市の登録文化財に指定されている洞窟「普天満宮洞穴遺跡」の発掘調査の結果を発表しました。

それによりますと、去年、遺跡内5か所を調査したところ、ヒトやシカの骨、それに貝類や土器などが見つかったということです。

さらに1メートルほど掘った場所からは、灰の塊と焼けた石が見つかり、灰の塊をどけると真っ赤に焼けた土が確認されたということです。

この場所は、食べ物を焼いたり明かりをともしたりするために火を燃やすのに使った「炉」の跡とみられ、灰の塊に混じっていた木炭の年代を測定した結果、旧石器時代にあたるおよそ3万1000年前のものであることがわかったということです。

炉の跡は沖縄本島南部の南城市のサキタリ洞遺跡からも見つかっていて、研究室では、この遺跡に並ぶ県内最古のものだとしています。

研究室では今回の調査結果が当時の生活様式など人類の活動をさかのぼって調べるための貴重な手がかりになるとしていて、さらに調査を進めることにしています。