訓練場の整備断念 市民グループ“住民無視の訓練成り立たず”

うるま市に陸上自衛隊の訓練場を整備する計画を国が断念したことを受けて、計画の撤回を求めてきた市民グループが記者会見を開き「住民を無視した訓練は成り立たないことを証明した」などの声が聞かれました。

うるま市のゴルフ場跡地に陸上自衛隊の訓練場を新たに整備する計画について、木原防衛大臣は11日、跡地の取得も含めて断念すると表明しました。

計画の撤回を求めてきた市民グループは11日、記者会見を開き、午後6時すぎに計画断念の一報が入ると、出席者が「よかった」と声をあげて拍手をしていました。

グループの共同代表のうち、伊波常洋さんは「住みやすい環境があり、自然を守りたかった。住民が力を合わせれば政府を動かせるような力を発揮すると実感した」と話していました。

また、アメリカ統治下に戦闘機がうるま市の宮森小学校に墜落し、18人が犠牲になった事故の記憶を語り継ぐNPOの代表でもある久高政治さんは「事故から65年になるが、沖縄の空にはまだ軍用機が飛び交い、訓練が行われることに危機感がある。住民を無視した訓練は成り立たないことを証明した」と話していました。

このほか、地元で30年以上暮らす市議会議員の眞壁朝弘さんは「お年寄りから子どもまで家族のような地域だ。子どもや孫の世代までこの環境を守っていきたい」と話していました。