「特定利用空港・港湾」波照間島 島民から否定的意見 竹富町

政府が、有事に備え、自衛隊などが円滑に使えるように整備・拡充する「特定利用空港・港湾」の指定を全国各地で進める中、8日夜、沖縄県竹富町の波照間島で、町と島民との意見交換会が開かれ、島民からは、政府が候補に挙げる波照間空港の指定に否定的な意見が相次ぎました。

政府は、有事に備え、全国各地の空港や港を「特定利用空港・港湾」に指定し自衛隊や海上保安庁が訓練などで円滑に使えるように整備・拡充する方針で、今月、沖縄県内では那覇空港と石垣港の2か所を指定しました。

政府がさらなる指定に向けて検討を進める中、8日夜、波照間島で、竹富町の前泊町長などと島民との意見交換会が開かれました。

この中で、町側は、去年10月に政府関係者から「波照間空港が候補に挙がっている」と伝えられたと説明しました。

これに対し、住民からは「過去の戦争の記憶と結びつけてしまう」とか「戦争を起こしてはならず、指定のメリットがあっても子どもには引き継げない」などと否定的な意見が相次ぎました。

一方で、一部の住民からは「空港の滑走路が伸びるなら有事の際に使ってもいい。『民間利用だけ』などときれい事を言ってもだめだ」という意見も出されました。

会合の最後に前泊町長は「声に出せない声をくみ取る努力を続け、この先の波照間島を見据えて頑張っていきたい」と述べ、改めて意見交換の場を設けるなど島民との対話を続けていく考えを示しました。