「感覚過敏」の人たちに配慮する取り組み 浦添市のスーパー

音や光に敏感な「感覚過敏」がある人たちが買い物をしやすい環境を整えようと、浦添市内のスーパーで店内のBGMを止めたり照明の明るさを落としたりする「クワイエットアワー」という取り組みが行われました。

「クワイエットアワー」は、音や光に敏感な「感覚過敏」がある人たちに配慮した取り組みで、家電量販店大手やドラッグストア大手など全国で導入が進んでいます。

4日は、県発達障害者支援センターとコープおきなわが浦添市牧港の店舗で行い、午前9時に店がオープンしたあとも、およそ1時間店内にBGMは流れず、照明も一部を消したり通常より明るさを落としたりした状態になりました。

また、レジでは商品の値段をバーコードで読み込みこんだり、キャッシュレス決済をしたりする時の音も小さくなっていました。

「クワイエットアワー」を体験してもらおうと、招かれた感覚過敏がある高校生は「いつもは店内がステージみたいに明るいが、きょうは穏やかで静かだった」と話していました。

高校生の母親は「息子にとっては大きな環境の変化だったと思います。ふだんは早く帰りたがってせかされて買い物をしますが、きょうは会話をしながら商品を選ぶことができました」と話していました。

一方、買い物に訪れていた50代の女性は「照明の明るさに不満はなく、BGMは流れていないことさえ気がつきませんでした」と話していました。

また、40代の買い物客の女性は「照明を落とすことで、人によっては生鮮食品の新鮮さがわかりにくくなるかもしれませんが、最低限の光はあるので私自身は困ることはなかったです」と話していました。

県発達障害者支援センターの照屋裕士相談支援員は「きょうの取り組みが『クワイエットアワー』の実施につながり、感覚過敏の方々がいるということを知ってもらい、支援していくような地域づくり、社会づくりの一歩になってほしい」と話していました。

コープおきなわでは、営業に支障を来さずに定期的に実施できないかや、ほかの店舗にも広げていけないかなど、検討を進めるということです。