ダイナミックでスピーディー!「ベースボール5」の魅力

「ベースボール5」という競技をご存じでしょうか。野球やソフトボールと似ていますが、そのどちらとも違う、新感覚のアーバンスポーツです。ワールドカップも開かれるなど近年、盛り上がりを見せている、このスポーツの魅力を取材しました。

(NHK沖縄 上地依理子記者)

【どんなスポーツ?】
自分でトスして、自分で打つ!一見、野球のようですが、プレーが行われているのは屋内。ピッチャーもキャッチャーもいません。「ベースボール5」の練習風景です。「ベースボール5」は、カリブ海の島国・キューバの街で楽しまれていた、手打ち野球が原点と言われ、世界野球ソフトボール連盟が統括する公式野球競技です。現在、およそ70か国でプレーされています。ベースボール5のチーム、琉球SEAHORSEの高良真助さんに競技について教えてもらいました。

(高良さん)
「ボールは、握りつぶせるくらいの柔らかさ。テニスの軟式ボールと硬式ボールの中間くらい」

【男女一緒に楽しめる!】
使うのは、ボール1つだけ。バットもグローブも使いません。チームは男女混合の5人。打撃側は18メートル四方のフィールド内で
必ずボールをバウンドさせなければなりません。ジャストミートのいい当たりでも、アウトになってしまうことも。ホームランはありません。魅力の1つが、男女の力の差が出にくく、一緒に楽しめる点です。パワーだけでなく、テクニックやスピードが大事。

(高良さん)
「ベースボール5は、男女の打球速度が大きく違わないし、塁間も短い。男子と女子が戦っても全然差がないっていうところも魅力的なところです」

強い打球を飛ばせない人でも、打球の方向や、バウンドさせる位置を微妙にコントロールすることで
ヒットを打てるのです。そこで肝になるのが“手の使い方”。

(高良さん)
「手を広げて打つ人と、グーで打つ人がいます。捉えると速い打球速度が生まれるのがグーです。パーは指先で打つ人もいれば、手の甲で打つ人もいます。スピードは生まれないけど、守備の相手の動きを見ながら、とっさに指先を動かしてボールの方向を変える選手もいます」

【沖縄に日本代表選手が】
この日、練習していたメンバーの中に日本代表の選手がいました。
沖縄大学1年生の喜屋原咲さんです。ベースボール5と出会ったのは、去年9月。知り合いに誘われてやってみたのがきっかけでした。小学校では野球に、中学・高校ではソフトボールに打ち込み、県の高校総体優勝の経験もある喜屋原さん。最初は初心者でしたが、みるみる上達しました。

(喜屋原さん)
「スピード感が本当に魅力的で、頭も使うことが多いので、1個1個のプレーが早いのでそこらへんが楽しいところですね」

3月に行われた代表選考会で実力が評価され、日本代表の座をつかみました。ソフトボールではショートを守っていた喜屋原さん。軽快な守備と正確なスローイングが強みです。4月に開催されるアジアカップに出場します。目指すは優勝です。

(喜屋原さん)
「実力の高いメンバーがそろっている中で自分が出来ることをしっかりやりたい。声出しだったり。守備では来たボールをとる、投げる。打つ場面ではランナーを進塁させることを頭を使いながらみんなとコミュニケーションを取りながらやっていけたらいいなと」