全市町村の土壌からPFOSなど検出 基地以外の汚染原因も

有害性が指摘されている有機フッ素化合物が、アメリカ軍基地周辺以外の土地を含む県内各地の水と土壌にどれだけ含まれているか確かめるために行った全県調査で、すべての市町村の土壌からPFOSなどが検出されました。
県は「基地に由来しない汚染原因も想定される」としています。

有害性が指摘されている有機フッ素化合物のうち、国内で輸入や製造が禁止されている「PFOS」と「PFOA」がアメリカ軍基地の周辺で高い値で検出されていることから、県は去年8月から基地周辺以外の土地を含む全県的な水と土壌の調査を行い、29日、結果を公表しました。

それによりますと、水質調査は那覇市を除く40市町村でそれぞれ1か所ずつ行われ、PFOSとPFOAの濃度が国の暫定的な目標値を超えたのは、嘉手納町の比謝川の1か所でした。

また、土壌調査は41のすべての市町村でそれぞれ1か所ずつ行われ、すべての市町村でPFOSとPFOAが検出されたということです。

県は土壌についての基準値が定められていないため安全性の評価はできないとしていますが、環境部の多良間一弘部長は「全市町村で検出されたということは、当然のことながら基地に由来しない、それ以外の汚染原因も想定される」と述べました。

県は新年度も調査を行い、汚染経路について検討などを進めていくとともに、国に対し土壌についても基準値を設けるよう引き続き求めていく考えを示しました。

また、今回の調査では去年政府が新たに規制対象に追加した「PFHxS」と呼ばれる物質の調査も行われ、水質調査では21市町村で、土壌調査では18市町村で検出されたということです。