貨物船座礁 風や波で流され出力不足も原因 国の運輸安全委

去年1月、石垣島の沖合でパナマ船籍の貨物船が座礁した事故について、国の運輸安全委員会は、漂泊している間に風や波の影響で流されその後もエンジンの出力を最大にせず航行を続けたことが原因だとする報告書をまとめました。

パナマ船籍の中国の貨物船「シンハイズー2」は、去年1月24日午前9時すぎ、石垣島の沖合の国内最大のサンゴ礁海域で、国立公園に指定されている「石西礁湖」で座礁し、その後船体が2つに割れました。

この事故について運輸安全委員会が、28日調査報告書を公表しました。

それによりますと、この日の未明に「石西礁湖」の北側に漂泊を開始した貨物船は、風や波の影響で南に流されおよそ5キロの海域まで近づいたということです。

前日から気象庁が海上強風警報などを発表していて、その後、エンジンを始動させて北進しようとしたものの、船長が出力を最大にしなかったことから十分な推進力が得られず座礁した可能性が高いと結論づけています。

また、事故の背景として、船長が漂泊中に天候は悪化せず航行に支障は出ないと海外の気象情報サイトをもとに予測していたことをあげています。

運輸安全委員会は再発防止策として、船長は地元の気象当局を含む複数の情報をもとに天候を予測し、気象状況や地理的条件に適した漂泊場所を選ぶことなどを指摘しました。