豊見城市の小学4年男児自殺めぐる訴訟 市が両親に謝罪し和解

9年前、豊見城市で小学4年生の男子児童が自殺したのはいじめへの適切な対応をしなかったためだとして、両親が市に損害賠償を求めた裁判は25日市が両親に謝罪し和解金130万円を支払うことなどで和解しました。

9年前、豊見城市で小学4年生の男子児童が自殺し両親は、学校などはいじめの実態を認識していたのに適切な対策をしないまま放置したなどと主張して、市などに対し7500万円あまりの損害賠償を求めていました。

去年3月、1審の那覇地方裁判所は訴えを退け、両親は市側の主張を全面的に受け入れ事実認定をしているなどとして控訴し、2審の福岡高等裁判所那覇支部は先月和解を勧告していました。

両親の弁護士によりますと、児童が自殺する前のいじめアンケートでいじわるされたなどと回答していたのに個別に対応しなかったことを市が両親に謝罪し和解金130万円を支払うことなどで、25日、和解したということです。

両親は「現行の法律ではこれ以上の進捗を得ることは困難と考え和解に至りました。息子を失った悲しみは今でも何一つ変わることなく、息子が生きていたらどのような人生を歩もうとしたのか思いをはせる事があります。今、いじめで悩んでいる子どもたちは、1人で悩まず必ず誰かに相談して下さい。親身になって相談に乗りあなたを助けてくれる人たちがいるはずです」などとコメントしています。


遺族との和解が成立したことについて、豊見城市の徳元市長は「裁判所からは児童の自死までに面談等の個別対応ができなかったことについて市が謝罪の意を表し、再発防止に向けてさらなる強化に向けた取り組みを推進することを約束することが本件裁判の相当な解決であるとの和解勧告がなされ、本市としてもこれを受け入れることが適切であると判断して、本日の和解に至っております。和解において約束したように、本市では今後ともいじめ対策について努力を続けていく所存です」とコメントしています。