与那国町が来月から初めて救急車を導入

離島での救患対応が課題となる中、与那国町では来月から救急車が初めて導入されることになりました。

およそ1700人が住む与那国町では、救急患者が出た際、町役場の職員を中心とした消防団が、ワゴン車を簡易的に改修した「搬送車」を使って搬送する対応を続けていて、救急医療体制の整備が長年の課題となっています。

こうした中、25日、沖縄本島のニライ消防本部が、車両の更新にあわせてこれまで使用していた救急車1台を、与那国町に無償で譲渡しました。

町役場では、譲渡式が行われ、ニライ消防本部の古見哲也次長が「救急車の譲渡は初めての試みです。与那国町に住む人、訪れる人の安心のために少しでも役立てていただければ幸いです」と述べ、車両のカギを町側に手渡しました。

与那国町で救急車が導入されるのは初めてで、職員たちは、さっそく、患者を乗せる手順を確認したり、サイレンを鳴らすなど機器の点検を行ったりしていました。

救急車は、来月から本格的に運用を始めるということで、今後、移動しながら医療処置が行えるようになり、与那国町は救急患者への対応が向上すると期待を寄せています。

与那国町の防災・消防担当、田島政之さんは、「消防団が運転して医師と看護師が乗って処置できるスペースもあるので、離島の課題である『時間との勝負』に格段に役立つと期待しています」と話していました。