琉球在来豚アグー保存会の会長 在来家畜や植物の保護呼びかけ

沖縄戦などの影響で一時、絶滅の危機にひんした沖縄在来の黒毛の豚「アグー」の復活に取り組んだ保存会の代表が、16日、名護博物館で講演し、在来の家畜や植物の保護の重要性を呼びかけました。

講演を行ったのは名護博物館の初代館長を務め、沖縄在来の黒毛の豚「アグー」の復活に取り組んだ「琉球在来豚アグー保存会」の島袋正敏会長で会場にはおよそ30人が集まりました。

沖縄で古くから飼い続けられていた「アグー」は沖縄戦と西洋の品種の導入で一時、絶滅の危機にひんし、40年ほど前に島袋会長が行った調査で在来種に近い豚はわずか30頭ほどまで減っていることがわかりました。

島袋会長は「名護市の畜産農家に頼んで『アグー』の飼育を開始し、北部農林高校にも譲って交配を重ねて純度を高め、次第に数が増えてきました」などと述べ、復活までの経緯を説明しました。

その上で島袋会長は「『アグー』などの琉球在来の家畜や植物は無くなると元に戻すのは難しく、保護して残すことが重要です。その視点を持ちながら経済につなげていきましょう」と呼びかけました。

参加した名護市の男性は「沖縄の文化の大事さを感じた。島袋さんの取り組みで、アグーがここまできたというのはすばらしいです」と話していました。