琉球王国の国王の肖像画などアメリカで見つかる 県に引き渡し

沖縄戦の混乱で行方が分からなくなっていた、琉球王国の国王の肖像画などがアメリカ国内で見つかり、県に引き渡されました。
国王の肖像画は日本国内で現存が確認された事例がなく、県は琉球・沖縄の美術史や文化史の研究で重要な手がかりになると期待を寄せています。

見つかったのは、琉球王国の国王の肖像画である「御後絵」や地図、香炉など合わせて22点です。

県によりますと、沖縄戦の混乱で行方が分からなくなっていた、十三代尚敬王と十八代尚育王の2点の肖像画が含まれています。

いずれも1メートル60センチ四方の大きさで、琉球王国時代に描かれ、十三代尚敬王は1817年、十八代尚育王は1852年とみられています。

県は2001年、アメリカのFBI=連邦捜査局に日本国外に流出したとみられる文化財の捜査を要請していましたが、去年3月、外務省を通じてアメリカ国内で22点が発見されたとの連絡があり、14日、県に引き渡されたということです。

琉球王国の国王の肖像画は日本国内で現存が確認された事例がなく、県は琉球・沖縄の美術史や文化史の研究で重要な手がかりになると期待を寄せています。

今後、修復に向けて詳しく調べるとともに、一般に公開するかどうかは損傷の状況を踏まえて検討したいとしています。

玉城知事は「琉球王国時代を肌で感じることができる沖縄の宝が戻ってきたことは大きな喜びだ。今後は、まだ発見されていない琉球国王の王冠など貴重な流出文化財の返還につなげたい」と述べました。