石垣島 ストライキの影響で海運関係の物流止まる

石垣島では、ストライキの影響で海運関係の物流が止まっていて、店舗なども対応に追われています。

このうち、島の中心部にある精肉店「八重山食研」は、ふだんより仕入れを増やすなどしてストライキに備えていました。

ただ、実際にストライキが始まると、取引先の飲食店などから問い合わせが相次ぎ、対応に追われているといいます。

営業担当の桴海功一郎さんは、「とても忙しいです。『店のメインの食材が入らないかもしれない』といった問い合わせがあり、不安の連絡がきます。影響は大きいです」と話していました。

また、在庫切れを懸念する顧客が買いだめをするために多くの商品を購入しているということで、12日の取り引きは、ふだんの1.5倍ほどになっているということです。

豚肉などを買いに来た飲食店を営む夫婦は、「私たちは毎日店を開けていないので大きな影響はありませんが、ものがないと料理も出せないので、島で物流が止まると困ります」と話していました。

桴海さんは対応に追われながら「石垣島だけでなく、周辺のほかの離島でも影響が出るのではないか。ものが減っていくと市民はもっと購買意欲が出てきます。安全面が大事なのでストライキをしている港湾関係者の気持ちもわかり難しい問題ですが、早く、平和的に解決してほしいです」と話していました。

そして、2年続けてアメリカ軍の艦船が石垣島に寄港していることについて、「何をしているのか見えないしわからないので不安です。目的をはっきりしてほしい」と話していました。

また、ストライキが3月の旅行や卒業シーズンと重なったため、島内の青果店は果物やケーキに使われる卵が在庫切れしないか懸念を強めています。

このうち、保育園やホテルなどを取引先としている「石垣島青果」には、本来ならきょう到着しているはずの品物が届かず、船に野菜などが乗ったままの状況が続いているということです。

代表の王滝将弘さんは、「どうしようもない状況です。いつ降ろせるのかわからないし降ろせたとしても野菜の状態も気がかりです」と話していました。

そして、いまは旅行や卒業シーズンとなっていることから、特に、ケーキやデザートなどに使われるバナナと卵は在庫がほとんどなくなっている状況だということです。

王滝さんは、「思っている以上に消費されています。ふだんから島のものだけだとまかなえず九州など全国から野菜を持ってきているので、このままだといつ冷蔵庫がカラになるのか、おそろしい状況です。島全体へのダメージを感じています」と話していました。

また、アメリカ軍のイージス艦が寄港したことについては、「アメリカ軍とか外国と聞くと世界の情勢は大丈夫なのかと不安になりますし、いい気持ちにはならない。できれば違う場所に行ってほしい」と話してしました。

その上で、「ストライキを起こす気持ちも分かりますが、子どもたちに野菜が行き届かないのは避けたいので、子どもたちの栄養を考えると胸が痛いです。少しでも早く荷降ろししてもらえると助かります」と話し、早くストライキが解消されることに期待を寄せていました。