沖縄県庁 残業代がすぐに支払われないケースが常態化

職員の退職が相次ぎ、職場環境の改善が急務となっている沖縄県庁で、残業代がすぐに支払われないことが常態化していることが、複数の職員への取材で分かりました。

沖縄県庁の知事部局では、定年退職などを除く自己都合による退職者が10年前の2.4倍になるなど急増していて、職場環境の改善が急務となっています。

この職場環境について、NHKが複数の職員に取材したところ、年度末にかけて残業代がすぐに支払われないことが常態化していることが分かりました。

県庁では、各部署に配分された残業代に充てる予算の範囲内で上司が残業を承認することになっていて、予算がなくなると残業は承認できない仕組みです。

しかし、職員の1人は、給与明細を示した上で、予算がない中で残業を申請し、上司は補正予算が成立するなど財源が確保された段階でさかのぼって承認し、数か月遅れてまとめて残業代が支給されたと明かしました。

この職員は、「まだ払われていないとか『うちの部は』といった話になる時はよくあります。慣れてしまってあえて言わなくてもという状態にもなっていますが、不満がたまっているのは感じますし、退職者数がそれを物語っているのかもしれません」と話しています。

こうした事態は県職員労働組合も把握していて、県側に対し残業を事前に命令・承認するよう徹底し残業代を翌月に支払うよう求めてきたということです。

眞榮城靖書記長は「私が若い時から支払いが遅れることはあった。当局は旧態依然とした働かせ方をしていると思う。根本を変えていかないともう人は来ないのではないか」と話していました。

一方、県人事課は「所属長が残業を指示しておきながら承認していない事例や残業代の支払いが遅れているケースについて把握していない。未払いになる可能性はありうるが、そうならないように対処するのが基本と考えている」と話しています。