復帰前後の県内の暮らし見つめた 平良孝七の写真展 名護市

復帰前後の県内の離島の人たちなどの暮らしを見つめた大宜味村出身の写真家、平良孝七の写真展が名護市で開かれています。

写真家の故・平良孝七は、本土に復帰した前後の沖縄の風景や人物などを撮影したことなどで知られ、写真界の芥川賞といわれる木村伊兵衛賞も受賞しています。

名護博物館で開かれている写真展には、先島諸島を中心に離島の風景や地元の人たちの暮らしを見つめたモノクロ写真、およそ70点が展示されています。

このうち、復帰の年の1972年に多良間島で撮影された写真では、太陽がきらめく海で子どもたちが元気よくはしゃぐ様子が捉えられています。

また、干ばつが続く黒島や池間島で撮影された写真では、かめや洗面器に雨水をためる厳しい暮らしがうかがえます。

うるま市の60代の男性は「昔の人の大変さを知ることができた。昔の風景や人々の様子がうかがえて懐かしく感じる」と話していました。

名護博物館の田仲康嗣さんは「離島苦と言われるぐらい生活が苦しいというイメージがありますが、苦しい中でもたくましく生きる島の人々の暮らしを知ることができます」と話しています。

この写真展は、今月18日まで名護博物館で入場無料で開かれています。