高校生と大学生が95歳の戦争体験者にインタビュー 那覇

戦争体験者の高齢化が進み、沖縄戦を知らない世代へどう語り継いでいくかが課題となる中、高校生と大学生による95歳の戦争体験者へのインタビューが那覇市で行われました。

これは、戦争体験を継承する県の事業の一環として行われたもので、5日、那覇市の会場で、高校生と大学生15人が、沖縄戦体験者の瀬名波榮喜さん(95歳)にインタビューを行いました。

瀬名波さんは、沖縄戦当時、県立農林学校に通っていて、いまは首里城の地下に広がる第32軍司令部壕の保存・公開を求める会の代表を務めています。

瀬名波さんは、高校生からどのような学校生活だったのか問われると、「物理や化学を一生懸命勉強しようとしていたが、第32軍が来て寮や校舎が接収され勉強する場所がなくなった。授業どころではなく、陣地構築に全学生が毎日動員され滑走路の整備をさせられた」と語りました。

また、別の高校生からなぜ司令部壕の保存に関わっているのか問われると、「沖縄戦の作戦や戦術は司令部壕ですべて計画され、沖縄戦の象徴として残しておきたい。消えることのない、消すことのできない永遠の語り部だ」と訴えました。

参加した学生たちは、瀬名波さんから聞いた話を記事にまとめ、平和教育の資料に活用したいとしています。

4月から地元の広島県で教師になるという名桜大学4年生の奥芳樹さんは「きょうの話を地元に持ち帰って戦争の悲惨さを生徒に伝えていきたい」と話していました。